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・アッラー(アッラーフ)=神 
・ムスリム=イスラム教徒
・コーラン=イスラム教の聖典






何処からかコーランを読む少年の声が聴こえてくる。

コーランの韻律は元々が美しいものだが、少年の声には

たどたどしい気配が漂って何やら危うい。そら、間違えた。

今は礼拝の時間ではないから誰かが読誦の練習をしているのだろう。

ムスリムはコーランを学びはするが、暗誦出来る者は多くない。

我が輩も幼い頃、よく練習を強いられた。

覚えは早かったが、人前でそらんじるのを強要されるのは嫌いだった。

それは今も変わっていないが。

…こんな時に我が輩は何を思い出しているのか。

少女と少年の境界に在るような瞳をいっぱいに開いて、娘がこちらを見上げている。

瞳の奥に在った怯えの影は今くっきりと色を現し、涙に溶けて幾粒も幾粒も。

舌を噛まないように薄絹を押し込められた口内で

どんな叫びを上げているのかは知らないし、興味も無い。

イランイランを含むキャンドルの放つ香が娘の体に浸透し、

催淫効果を発揮するまで、まだ少し時間がかかりそうだ。

その方が良い。

催淫剤から意識が覚醒した時には

与えられた恐怖と苦痛をまざまざと思い出し、我が輩を心底嫌うだろうから。

奴隷に堕ちた身の上を、きっと嫌でも実感せざるを得ない。

そして父に救いを求めるのだろう。

無理強いをしない、優しくひょうきんな男に。

穢された身をそれでも暖かく受け入れ、傷を癒してくれようという男に、

そうして身も心も許すようになるわけだ。

ありがちな話だ。

ただし我が輩は嫌われ役とはいえ、この娘の体に快楽を覚えこませねばならず、

自ずから求めるように仕込まなければならないわけだから

…おい、そう怯えるな。それなりに扱ってやる。

我が輩とて女を陵辱するのなぞ初めてなのだから、そう酷く怯えられると

まるで殺人でも犯しているようだ。

いや、陵辱は殺人と同等だと言う女が少なくないから

では、我が輩は殺人者か。

ならば出来得る限り優しく殺してやる。

猛獣に生きながら捕食される草食動物が、最中に脳内麻薬を分泌しているように

貴様にも恍惚の、錯乱の、夢うつつを。

ガチガチと鳴る鎖に、娘の手首足首が枷の摩擦で赤く染まっているのに気付く。

ふむ、要らんな、こんなもの。

抵抗したければ、すれば良い。

力任せに枷と鎖を繋ぐ止め具を引き千切ると、娘は早速、我が輩の肌に爪を走らせた。

暴れながら引っ掻いては幾つも赤い筋を作る、時には流血する。肩に、胸に、腕に。

頬を一筋掻っ切った傷が一番深く、鮮血が流れてポタリと一雫。

いいぞ、それくらいは許してやる。

何せ貴様は殺されるのだから、それくらいは。

娘から与えられる痛みと引き換えに、それほど豊かでもない胸を隠す衣を剥ぎ取って

乳嘴を口内に含み、舌で甘く転がしてやると

快楽を受け取った証に、華奢な体が僅かに跳ねた。


「ふ、…んうッ」


白い喉の奥から漏れる声。

悲鳴とは少し違う。

産まれて初めて知覚しただろう刺激に、戸惑いが混ざる甘い音。

もう片方の乳房を優しく揉み拉いてやれば

我が輩の両脇で、じたばたと暴れていた細い脚が引き攣った。

催淫の香に揺れながら

我が輩の手も娘の体を撫ぜて這い回っては指が踊る。

東洋人の肌は随分と滑らかで、掌にしっとりと吸い付いてくるようだ。

幾分か先を急ぎたくなるのは、そのせいか、それとも娘の生来の匂いのせいだろうか。

催淫の花は我が輩には効きはしない。

宮殿のそこかしこで焚かれていた香は日常の空気に混じり、

子供の頃から酸素と同じ様なものだった。

だから煽られるのはキャンドルのせいではなく、やはり貴様自身が淫花なのか。

呼吸が僅かに上がっている。

娘の脚の間、純潔を庇う衣の上から、尖らせた舌を押し当てる。

そのまま形を確かめるように弄び、衣に隔てられて

それ以上は押し進むことの出来ない秘裂を強くなぞっていくと

我が輩の唾液以外の暖かいものが染み出して来た。


「ん、んうぅ、うく、…ッ!」


泣き声と嬌声の狭間を揺れて迷い、びくびくと、しなる腰。

とくとくと伝わる脈動が熱を持って、緋肉の震えを舌に乗せてくる。

まるで、我が輩の屹立したそれを焦がれて待ち構えているような気にもなる。

まだ、与えない。奪わない。

すぐにも引き裂きたい衝動を堪えれば、

欲情という熱気がベールとなって体を包み、汗が落ちた。

耐え切れずに腰紐を無造作に解き、

眼前に現れた珊瑚色の果肉に触れて蜜液をじゅるりと啜り嚥下する。

とろとろと喉を滑り降りていく、本当に果実の味と似ているような不可解な液体。

熟しきらない甘酸っぱさを愉しむように、いつまでも喰らっていると

少年の読むコーランの声音が次第に遠くなって

代わりに娘のしどけない喘ぎが耳をくすぐり、鼓膜へ侵入してきた。

媚薬の如く脳の奥に、秘やかに。

焦らせるものならば、もっと焦らしたい感情が込み上げるのに

我が輩の指は慌しく朱の襞をかきわけ、もっと奥を味わおうと

あさましく、のめり込んでいく。


「ん…ふ、んく、んーう」


薄絹の奥で消えていく啼き声が、なんとなく勿体無く感ぜられる。

身も世もなく零される陶酔の奏でを求めて口内の絹を取り上げれば、

舌を噛み切って死んでしまうだろうか。

ふと妙な光景が脳裏に浮かぶ。

唇から血を溢れさせる娘の亡骸を貫いて恍惚とする我が輩の。

…そうしたいのか?

死んでしまった後でも、殺してしまった体でも

この行為を続けたいと?

どんな女と寝ても、その嬌声が他の音を遠くしたことは無いし

妙な映像が脳内を占領したことも無い、今この時までは。

なぜだろう、この娘に対して込み上げた嗜虐心が、我が輩の理性を侵食しているのか。

そういえば女に嗜虐心を覚えたことなど、まず有っただろうか?

自分より明らかに弱い者など虐めるに値しない。まず、つまらない。

強者を気取る者にこそ、身の程知らずを知らしめる快感しか無かったはずだ。

妙だな。

ふと湧き上がった思考が行為を邪魔するのを察知して、我が輩は頭を横に振った。

啼き声を開放するのを諦め、しとどに濡れた腰を抱えて自身を突き立てる。

生贄の顔を見下ろすと、充血し潤んだヘーゼルの眼に我が輩の影が映っている。

娘の意識に我が輩はどのように映っていることやら。

恐怖と混乱はまだ残っているのか。

それとも催淫作用で今は夢幻の領域か。

虚ろになった眼差しからは感情が全く読み取れない。

ただでさえ不得意な、他人の感情。いや、己の、それでさえ。

狭い入り口をゆっくり抜き差ししてやると

ますます溢れてくる蜜液に水音が高く粘り、匂いが濃厚になって鼻腔を擽った。

んー、んー、と幼い喘ぎを繰り返し、涙を零す瞳の縁は淡く朱く愛らしい。

少し乱暴かも知らんが

悪いな、貴様は我が輩が思っていたより色花の気配が濃いようだ。

入り口の愛撫も早々に一気に奥まで貫くと

娘はギュッと瞼を閉じて


「ひぅ!? …ううううぅぅぅーっ!!!」


一際大きく呻いた後は

激しく叩きつけられる毎に短く何度も薄絹にそれを吐き出していく。

…絹に吸収されて消える、それ。

この女の、嬌声。

もったいない。

気がつくと我が輩は女の口内から薄絹を抜き取っていた。

眼に映る桃色の唇、真珠色の歯、ひらひらと濡れて光る舌。

声を聴こうとしたはずなのに、性器と同等か或いはそれ以上に艶かしい体内の入り口を

我が輩は口づけで塞いで味わっていた。

有り得ない事なのに、誘い込まれるように、そうしていた。

口づけの仕方も知らない舌は、おどおどと

けれど我が輩の舌に慣らされて、やがて素直に

僅かに差し出し、我が輩に喰らわれることを愉しみ始める。

獰猛な獣に喰われる小動物の自己麻薬。

貴様の脳はそれに満たされて、抵抗する意識は皆無。


「貴様の名前…なんと言ったか、ヤコ…だったか?」


微笑みかけてやるとキュウと締め付けられた。

初めてのくせに、やはり生意気だ。

生意気で幼い、色花め。











蜜漬けのナッツが犇くボトルを胸に抱きしめ、手のひらに幾粒か散らせたまま

疲れて眠る、その唇の端には蜜と白く乾いた残滓がこびりついている。

性欲と食欲と睡眠欲。生物の三大欲求を全て身に纏った有様が何やら笑えるな。

かしかしと爪先で残滓を落としてやれば唇が本能的に動いて指先に吸い付いてきた。

瞼を閉じたまま、ちみちみと我が輩の指をしゃぶる様子は乳を求める赤子のよう。

求めるものの与えられない授乳に乳飲み子は諦めの吐息を

はふ、と零して、唇に我が輩の指を挟めたまま再び深い眠りにつく。

キャンドルが今だ強い香を放っているのと

その催淫と催眠の効果と

消え去らない理性の欠片が招いた混乱と

それから、産まれて初めて受けた性愛に

おそらく身も心も疲れきっているのだろう。娘は懇々と眠る。

娘の下肢と手織りの絨毯を染める赤い血は頼りない小川のように

引き裂かれた純潔を示すが

同情心など全く湧いて来るはずも無い。

ただ、少しだけ

この世界の悲哀を垣間見るだけだ。

娘の眠る光景に甘さが儚く混ざっている気がするのは…

いや、気のせいなのだから思考するのは無意味で無価値。

これが、千と一夜の第一日目。










To be continued...



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