「さて、何をして遊ぼうか?」
++++++++++
すみません、背景って、なんですか?
ごめんなさい!背景なんて描いたこと無いから…
にしても酷い。
やる気無さMAXですね。
でも、肌色には愛情を込めたのよ。
そりゃあもう隅から隅まで舐めまわして愛撫しつくすぐらいには時間をかけたのよ。
それで許して。
なんでこんな半分以下に縮小するつもりだったのに大きく描いたのか。
原寸の38%の縮小率。
これがなければもっと早く塗り終われたの…か………!
それではミリュウ様、バトンタッチよろしくです!(*゜∀゜*)ゝ
続きから素敵本編・上映です。
Alf Laylah Wa Laylah【千夜一夜】
父のハーレムの中に、“らしくない”女が一人。
合法・非合法問わず、国内外からかき集められて来る女達の中には
時折は毛色の変わった者も居るから其れほど珍しい事でもないのだが、
その女の“妾らしくなさ”の特徴には前例が無い。
何せ百戦錬磨の父が、その女の体を陥落出来ていないと言うのだから。
なびかない女など早々にハーレムから出してやれば良いではないか。
女に不自由しているわけでもあるまいに。
…まさか惚れたとでも言うつもりか。まさかな、東洋の平凡な小娘相手に。
せいぜい、ちょっと気に入ったとか、そんなのだろう。
「気がつくと朝まで喋り続けていたり、日本の遊びを教えてもらったり、
或る時にはあの娘と一緒に喰い倒れていた事もある。
いや、あの娘の食欲につられて、ついつい…喰い倒れるのは私のみなんだが。
あの娘はいくら食べてもケロリとしているのだ、腹と魔界が繋がっているのかも知れん」
「つまり煙に巻かれているわけですね。いい齢の貴方が小娘ごときに」
「息子よ、お前はもうそっと父を尊重するとか」
「そうですね。小娘一人に触れられずオロオロと息子に知恵を借りに来る父親を
それでも尊重しなければならない、それがアッラーの思し召しなら」
「なんか切なくなってきた」
「あんたイイ齢なんですから“切ない”とか言わんで下さい。正直キモすぎる。
大体ハーレムどころか愛人の一人も持たない息子に
千ほども女を知っているオッサンが何を訊きたいんですか」
「自分とて諸外国とのビジネスで世界中の美女とよろしくヤッているくせに…」
「何か言いましたか」
「いや、何も。だって、お前の方があの娘と年頃も近いし、気持ちが解ったりするかなーとか」
「我が輩、学術や投資法ならともかく人の気持ちなど知ったことではない」
「お前、猫が剥がれてきてるぞ、ちゃんと被っときなさい。お前の素は心臓に悪い」
「一服盛ってしまえ」
「わあ! 猫は、猫は何処だ」
「媚薬だろうが催淫剤だろうが何でも使ったら良い。
大体、娘ひとり手篭めに出来んほど既に老体に成り果てているなら、
それしか手段は無いでしょう」
「む、莫迦にするな、まだまだ女の一人や二人や百人は押し倒せるわ。
そうでなくてだな…あのな…つまり、」
「早くおっしゃい、イラッついてきた」
「き、嫌われたくないのだ。ヤコちゃんに」
「―――」
「そんな鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔をせんでくれ」
「老いぼれの恋ですか」
「それを言うなら老いらく…言いなおしたところで物悲しい。わざと間違えただろう。
いやいや、恋というか……ただ可愛いのだ。
媚びるでなく、かと言って身も蓋もなく嫌がるでもなく…友達のように接してくる、あの態度が。
気に入ったからとはいえ無理に体を奪って、
あの何とも言えない爽やかな笑顔を失うのはなぁ…ちょっと」
「なるほど、女達に絶対的な支配者として見られてきた故に新鮮なわけですね。
ならば、そのままで良いではないですか。友達のまま囲っておけば」
「可哀想じゃないか、一生処女のまま宮殿に押し込めとくなんて。
かといって帰国させるのも寂しいし、でも無理強いして嫌われたくないし。
ヤコちゃんとのお喋りや食事とか花札したりとかが楽しくて仕方ないのだ!
娘の在ない私に姫が出来たようで…あのネウロ君、話の途中で何処へ」
「薄気味悪いが、あんたのハーレムにその娘を引き取りに行きます。
大体、奴隷の分際で主人と平等な態度で接してくるなど生意気な。調教してやる。
ところで父上は処女性にはこだわらない御人でしたね?」
「つまり、お前が嫌われ役をやると」
「父上と違って、その娘に嫌われようが憎まれようが痛くも痒くもありませんので」
「…無茶しないようにね。壊したらダメだよ?
あんまり嫌がるのを力尽くでとか可哀想だから。籠絡するんだよ、籠絡。
私には出来なかったが若いお前なら、」
「壊すほど暇ではありません。口説き落とすほどの手間も面倒だ。
…あまり乱暴にする気はありませんが催淫薬くらいは使うでしょうね。
もちろん慰め役は父上にお任せしますよ。
要は父上とその娘の精神的関係性をそのままに、
娘の体に快楽を教え込んでやれば良いのでしょうが。
あんたは嫌われず、娘も女の喜びを知る。
そうなったら娘の女心を掴むのも容易いでしょう。せいぜい体の方も愛でてやるがよろしい」
「我が息子ながら怖いなー…実はイフリート(魔神)だったりして」
遠い眼で浅く笑んでいる父を置き去りにして、いつもは近寄らないハーレムへ
父親のアホさ加減をぶつくさ愚痴りながら向かった我が輩を待ち構えていたのは
…あの諺、何と言ったか、ああ、「ミイラ取りがミイラになる」だ。
父親の情けない様子を事あるごとに思い出す、
そんな痛烈な自己批判を我が身に覚えるはめになるとは。
アホも遺伝するのか、やっぱり。
日本人には珍しい淡色のショートヘアと瞳、少しばかり中性的な顔立ち。
涼しげな音を発する白い喉。
ともすれば少年とも見紛う薄い体は、すらりと長い手足を有して
それでも、それらは全体的に見れば、やはり女特有の柔らかい曲線で出来ている。
真っ直ぐこちらを見上げたヘーゼルの眼差しには媚びも卑屈さも無く、
かといって拉致された事実を責めるでなく
相手の人となりを見抜こうとする意思に満ちている。
なるほど、この娘。心と理知が良いバランスで伴っているらしい。
このバランスがもしも、どちらかに偏っていたなら親子共々、振り回されずに済んだだろうに。
だが、この出会いの時に我が輩は見抜いた。
娘の瞳の奥に隠そうにも隠し切れない怯えが、やはり存在している事を。
風が通るような感覚を持っていようとも、いや、そういう感覚の持ち主だからこそ
感情に振り回される。
実に好ましい。
嗜虐心が、煽られる。
「何処ですか、ここ…。ハーレムを出たら叱られるだけじゃ済まないって、
家来の人達に散々言われてるんですけど」
「ここもまたハーレムだが? ただし、我が輩のな。…と言っても
実質使っていないから使用人以外の女は貴様しか居ないが……ふむ、貴様、
性別は女で間違いないか?」
「質問に悪意を感じるよ。…やっぱり息子なんだ、顔つきがなんとなく似てると思った。
性格は全然違うみたいだけど。お父さんの方はもっと優しいもん、ひょうきんだし」
プイとそっぽを向く動作に、我が輩は笑う。
まだ世界は自分の為に有ると、神は自分に味方していると信じて疑わない愚か者の所作。
身分の差異を意識もしない、まっさらな一個の人間を我が輩は笑ってやる。
その優しくてひょうきんだと言う男は貴様を一時、息子に売ったのだ。
自分に都合良く仕立てさせる為。
当主以外は皆、家臣であり家来であるのは、第一王子とて変わらない。
我が輩もまた、あの男に尽くしてやる事で跡継ぎというこの地位を保っている。
どんなに憎まれ口を叩こうとも、結局使役されているのは、こちらの方。
この国では、特に王侯貴族の世界では一家の主こそが神に等しい。
それを受け入れなければ命さえ危うい。
我が輩は我が輩の安泰の為、生きる為、貴様に催淫の毒薬を流し込む。
To be continued...
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